「海賊とよばれた男」のリーダーシップと「PM論」

「海賊とよばれた男」のリーダーシップ

先日、岡田准一さん主演の映画「海賊とよばれた男」を見ました。

出光興産の創業者である出光佐三さんがモデルの話です。

映画の中では、様々な壁や苦難を乗り越え、素晴らしい成果を出していく様子が描かれています。

そして、戦後の経営が苦しい時にも、店員(社員)を1人もクビにせず、店員は家族だと大切にし、店員からも愛された素晴らしい店主(経営者)の話です。

「PM論」という観点から見ると、「海賊とよばれた男」は素晴らしいリーダーシップを発揮しています。

 

ということで…

今回は、私が「海賊とよばれた男」のリーダーシップが素晴らしい!と思った根拠である「PM論」を紹介していきたいと思います。

「PM論」とは?

「PM論」を知っていると、自分自身のリーダーシップや皆さんが所属しているチームを分析する観点として、とても役立ちます。

ちなみに「PM論」は、体験学習サイクルの中の「振り返り」の質を上げるためにも効果的です。

今回は「PM論」を提唱した三隅二不二さんの著書「リーダーシップの科学-指導力の科学的診断法」を参考に解説していきたいと思います。

 

まずは「PM論」の概略です。

チームやリーダーシップにはPとMの2つの機能があります。

PPerformanceの頭文字、
MMaintenanceの頭文字をとったものです。

Pは「目標達成や課題解決に関する機能」、
Mは「集団の維持に関する機能」を表しています。

P機能は例えば下記のような場面で発揮されます↓

・目標に向かって仕事を進めていく過程
・会議で議題について話し合いを進めていく過程
・学校のクラスで生徒たちが学習を進めていく過程

M機能については解説を引用すると…

集団の維持機能は、文字通りひとたび形成された集団を維持しようとする自己保存的な働きであるが、集団は人間の集合であるので、人間関係に異常な緊張が生じたり、お互いに敵意が生まれると、集団は崩壊の危機をはらむようになる。そのような時、緊張や敵意を解消し、人間関係の回復をはかろうというのが、集団のM機能である。

出典元:リーダーシップの科学-指導力の科学的診断法

「PM論」をさらに詳しく解説

私がはじめてPM論を聞いた時には、次の説明で理解が深まりました。

図では、リーダーシップやチームの機能をPM論に基づいて、4つに分類しています。

大文字(P・M)は機能が高く、小文字(p・m)は機能が低いということを表しています。

PM型
高い成果を出し、チームの雰囲気や人間関係も◎

Pm型
成果は出るが、ギスギスした雰囲気で人間関係は△

pM型
成果は出ないが、平和な雰囲気で人間関係は○

pm型
成果が出ない上に、チームの雰囲気や人間関係も×

 

具体例として、実験の様子を引用します。

まずはPm型のリーダーの様子です↓
(※P型とは「Pm型」を表しています)

P型のリーダーは、本実験の作業の業績をあげるように部下に命令・指示し、叱咤する。すなわち三名の従業員を監督しながら適時に、「もっと早く」「急いで急いで」「おそいぞ」「時間がありませんよ」「遊ばないで、仕事、仕事」といった言動によって部下を指導する。
(中略)
「もっと正確に数えて!」「カードはもっときちんと整理して」などの指示をし、ときには「他のグループより遅れていますよ」「ここがいちばんまずい」などの言葉をかける。

出典元:リーダーシップの科学-指導力の科学的診断法

次にpM型のリーダーの様子です↓
(※M型とは「pM型」を表しています)

M型のリーダーは「さあ楽しく、愉快にしましょう」とか「もう少し仲よく進めましょう」とかの言動によって、部下の気持ちを和らげ、できるだけ作業の雰囲気を和気あいあいとしたものにするように心がける。あるいは「大変ですね」「もう少しの辛抱ですよ」などと、部下に対して同情する言葉をかけたりする。また状況によって冗談をいったり微笑したりして、対人関係の緊張を解消させることに留意する。

出典元:リーダーシップの科学-指導力の科学的診断法

結果的に「PM型」がベスト!

さらに実験の結果、「生産性」と「(作業員にとっての)監督者と仕事に対する満足度」は、下記のようになりました。

「生産性」

1位 PM型
2位 Pm型
3位 pM型

P行動とM行動は相乗作用するため、もっとも生産中心的監督であるPm型よりも、PM型の方が生産性が高いことが示されました。

 

「監督者と仕事に対する満足度」

1位 PM型
2位 pM型
3位 Pm型

P行動とM行動は相乗作用するため、もっとも人間関係配慮中心であるpM型よりも、PM型の方が監督者や仕事に対する満足度が高いことが示されました。

 

上記の結果からもわかるように、様々な研究や実験を通して…

結果的に「PM型」が最も望ましいタイプだと述べられています。

 

映画という限られた情報の中からの分析ですが…

店員を家族のように大切にし、店員からも店主のためならと心から慕われ、
並外れた成果を出し続けた店主はPもMも素晴らしいPM型のリーダーといえるのではないでしょうか。

 

また以前、管理職研修の中で「PM論」をお伝えしたところ…

研修参加者
「リーダーとしての仕事はPだけで、Mまでやる必要は無いと思っていた。日々の業務で余裕が無い中で、そこまでやる必要は無いと思っていた。」

という感想を話して頂いた方がいました。

このような感想に対して、「PM論」に基づいてコメントすると…

「Pm型よりも高い生産性を生み出し、リーダーや仕事に対する満足度も上げたいのであれば、PだけではなくMも意識することが重要です。」

PやMの機能は強化できる?

そもそもPやMの機能は強化することができるのでしょうか?

そんな疑問にもこの本は答えてくれています↓

Pは強いがMが弱い場合、そのリーダーは、かたい決意をすれば比較的速くMを強化することができるだろう。どうすればよいか、それは、集団指導の概念と方法をよく学習して、それを有効適切に、実行してみることである。

出典元:リーダーシップの科学-指導力の科学的診断法

逆に、pM型の場合はどうでしょうか?

Mは強いがP行動が弱い場合は、Pを強化することには時間がかかる事例が多い。なぜならば、Pのリーダーシップは業務そのものにかかわるリーダーシップだからである。Pのリーダーシップを意識的に高めるには業務上の専門知識・技術の習得と、その実践化の方策を身につけるしかない。このことはリーダーにはその仕事についての力量が欠かせないことを物語っている。

出典元:リーダーシップの科学-指導力の科学的診断法

まとめ

以上、「海賊とよばれた男」のリーダーシップと「PM論」でしたが、いかがでしたでしょうか?

ご自身のリーダーシップや皆さんが所属しているチームは、PM論の観点から見るとどうですか?

是非、PM型を目指して頑張ってみてください!

私も「海賊とよばれた男」のようなPM型の経営者を目指して、日々精進していきたいと思います!

FLYHIGH Lab.
代表  小田桐 翔大