【インタビュー】ラート世界チャンピオンから学ぶ「目標を達成し続けるシンプル思考術」

FLYHIGH Lab.では、「私たちの考え」「理論・研究事例」の紹介に加えて、活躍されている方々の「インタビュー」を通して、僕らをアップデートする「学び」を探求していきます。

そんなインタビュー企画の記念すべき第1回目にご登場頂くのは、ラート競技世界チャンピオンの高橋靖彦選手です。

高橋選手と私(FLYHIGH Lab. 代表:小田桐)は筑波大学体育専門学群の同級生でもあり、メンタルコーチとして長年サポートさせて頂いている関係でもあります。

つい先日、スイスで行われた世界選手権では男子個人総合部門で、大会史上初となる3度目の優勝を果たしました。

今回のインタビューは大会前に、「目標の立て方」や「目標達成を目指す時に大切なこと」についてお伺いしました。
スポーツの場面だけではなく、ビジネスや人生においても活かせる内容となっています。

まさに今回も目標を見事達成した高橋選手のインタビュー記事を是非ご覧ください。

 

目標を立てる時に大切なことは?

目標は高く立てた方がいいと思います。
本来達成したい目標のその先を考えることが大切です。

これはメンタルコーチングのセッションでも何回もテーマにしましたが、「その目標を達成した先には何がある?」のように、「目標を達成したらさらにどんなことが出来そうか」というところまで考えるようにしています。

何か大きく達成したいものがあって、「“勝つ”とか“結果を残す”ことがゴールではなくて、通過点だ」くらいに思えるようになったのは大きいです。

 

—2012年頃は全日本優勝が目標でしたが、その先には「世界選手権優勝」や「ラートの魅力を伝える」という目標があるという話をしましたね。

全日本優勝するのは通過点くらいに考えて、世界選手権で5連覇するという目標を話しましたね。
それがあったおかげで、初めて世界選手権で優勝できそうだという時も、「1回目なんだからどうってことない」という風に吹っ切れられました。
過度に力まずに、「これくらい大したことないんだ」と思えるようになったのは大きいです。
2回目も3回目の優勝の時も同じです。

 

—1つの目標を達成して燃え尽きてしまう人も多いかと思いますが、目標のさらにその先を考えるのは「燃え尽きない秘訣」でもありますか?

もちろん目標を達成してホッとする気持ちは多少はありますけど、達成したら「はい、次」「はい、次」と進んでいけます。

一段落つくのはありですが、立ち止まるというのはもったいないと思いますね。

こういう気持ちの持ち方はすごく大事だと思います。

 

目標を立てられない人へのアドバイス

—「目標を立てられない」という人もいると思うのですが、高橋選手にはそういう経験はありますか?

あります。目標を見失った時とか。
例えば大学生の時は、競技や人生の「これは絶対達成したい!」という目標も無かったので、あの時はすごく病んだというか、自分に嫌気が差していました。

大学3年生の頃は完全に目標を見失っていて、何をやればいいんだろうみたいな…。
5年後のこととかを考えると、全くイメージも無いし、漠然としたものすら無いし、すごく嫌な気分になっていました。

その時は、目標が無いと思っているとストレスなので、もう無い時はとりあえず今必死にやればいいかなと思うようにしました。

なんでもやりたいようにやっていく内に、「もっとこれ頑張りたい」とか「もっとこれに時間を割きたい」と考えられるようになっていきました。

だから、目標を持っていない人にアドバイスをするなら、とりあえず何でもいいのでやってみることです。ただ一生懸命やるんじゃなくて、「楽しいな」って感じることをやった方がいいと思います。
嫌なことを一生懸命やるのもストレスだし、「なんか面白そうだな」って思うことに時間を割くようにしたら良いのかなと思います。

 

—その時、高橋選手が「楽しいな」と感じたことは具体的に何だったんですか?

その時は、就職活動の一環で参加した企業インターンが楽しかったです。
普段付き合うのは体育系の人しかいなかったんですが、インターンでは全然関係ない分野の同世代の人たちと、何日間か一緒に過ごしたり、意見交換する機会がありました。

そうしている内に、自分がスポーツをやっていることとかも改めて、「これって結構他の人にはできないことなのかな~」と思うようになりました。
今まで自分で「大したことないな」と思っていたことでも、「自信を持って取り組んで良いんだ」と思ったりとか。

その当時は、今よりもラートの認知度はもっと低くて、もう全然見たことも無いし、やったことも無いし、そんな人が沢山いた中でしたけど、直接会って話したりすると、興味を持ってくれたりとか、応援してくれたりする人が増えていきました。

そういう経験や他の分野の人と関わることによって、逆に競技に対してのモチベーションが上がって、大学4年生の頃は競技に対して時間を割くようになっていましたし、競技力も大きく向上しました。

もしもずっと同じ世界に身を置き続けていたら、あんなに頑張れなかったと思います。

 

—そうやって意図的に関わる人とか場を変えるのは大事かもしれないですね。

それはすごく大事だと思います。
意図的にやれたらもっと良いかもしれないです。
僕の場合は偶然でしたが、もし行き詰まったら「意図的に付き合う人を変える」というのはありだと思います。

それで、今やっていることの価値が再認識できることもあると思います。

目標達成を目指す時に大切なことは?

目標達成を目指す時には「その目標を達成するためには何が必要かというのを細かく考える」ことが大切です。

僕自身はメンタルコーチングを通して、目標達成への細かいステップが作れるようになりました。

達成への道筋を噛み砕いて考えられるようになってから、行動にも移しやすくなりました。

すごくエネルギーを使わずとも、ちょっとした一歩を踏み出す位の感覚になったことで、結果的に行動力が高まりました。

ちゃんと踏み出せる一歩目を作るのが大事です。
ステップを細かくしても、最初の一歩目のハードルが高いといつまで経っても踏み出せないので、最初はとにかく踏み出しやすいものにしておくことが大事です。

 

三日坊主になりやすい人へのアドバイス

—目標を立てても三日坊主になりがちな人へのアドバイスはありますか?

僕も全部できている訳ではないです。
達成できていないものだけではなくて、達成できたものもあるはずなので、できた部分をちゃんと評価して、自信にすることが大切です。

どうしてもできなかったことに目が行きがちですが、できるようになったことに目を向けることで、少しずつでも積み上げている感じが次へのエネルギーになります。

それがあって初めて苦手なことに向かえるようになると思うので、積み上げている感じはとても大事です。

少しずつでもいいので進んでいる感じが大事です。

さっきの話でもありましたが、僕は本当にできることしかやっていなくて、無理な事はやろうとしません。
「これはまぁできるだろう」と自分の中でイージーだと思ったことを積み重ねています。

そのイージーが積み重なっていくと、難しいことも結果的にはできている。
無理なことは全然やっていない。だからストレスは少なめなので、続けられます。
踏み出す一歩はそれぞれ小さい。

「これくらいはできるでしょう」っていうことを積み重ねているだけです。